高齢者の定義変更の裏にあるもの

「高齢者の定義75歳以上に」老年学会提言

超高齢社会を迎え、日本老年学会は現在65歳以上とされている「高齢者」の定義を75歳以上に引き上げたうえで、それより若い人たちには就労やボランティアなどの社会参加を促すべきだとする提言をまとめました。

日本老年学会は医療の進歩などで健康的に生活できる期間が延びていることから、現在65歳以上とされている「高齢者」の定義について、医師や大学教授などのグループで見直しを進めてきました。そして、「高齢者」とする年齢を体力的な面などからも75歳以上に引き上げるべきだとする国などへの提言をまとめ、都内で発表しました。(NHKオンライン 1月5日 18時23分         続きはhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170105/k10010829971000.html)


日本老年学会なるものの存在は知りませんでしたが、なんとも不思議な提言をしたニュースを耳にした瞬間に「年金支給は将来的に75歳に引き上げるのだな」と思いました。

まあ、すでに定年年齢の65歳引き上げなどが行われていて、今65歳支給の年金も私は70歳まで引き上げる考えていたため「やはり」の感があるのですが、とうとう75歳まで支給しないのかと思いました。

勿論この定義変更が決まったわけでもなければ年金支給が75歳まで引き上げられたわけでもないのですが、政府の目指す方向は年金支給引き上げなのだと思います。

1月6日のラジオの文化放送「くにまるジャパン極」の中で元外務省官僚でコメンテータの佐藤優氏も「元小役人」の勘として年金支給引き上げや保険料引き上げなどを政府が考えているはずで、この提言が唐突すぎるのは何か意図があると述べています。

もうすでに破綻している現在の年金制度はやはり一度止めて制度設計し直すしかないでしょう。体よく元気な老人はボランティア活動をしたりなどと言っていますが、どう考えても年金支給引き上げが目的と思われるからです。いくら元気だからと75歳まで皆が働きたいわけではないと思います。65歳定年としてもその後はゆっくり過ごしたいという人が特にサラリーマンの方で多いのでは。

実は現在の年金制度見直しをというか制度中止を考えているのではないかという兆しがあります。これについては後日ブログで発信したいと思います。

労基法の罰則

電通社員が過労自殺した件で、厚生労働省東京労働局は12月28日、広告代理店大手の電通と同社の幹部社員1人を労働基準法違反の疑いで書類送検した。(朝日新聞デジタルhttp://www.asahi.com/articles/ASJDX3C6BJDXULFA006.html)

皆さん労働基準法(労基法)の罰則ってご存知ですか?

「労働者が自殺するくらいだから、罰金1億円くらいか」なんて思われ方、甘いです。

甘いというのはもっと高額というのではなく、全然少ないということです。

今回の件は36(サブロク)協定違反、つまり労基法36条違反なので、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金です。驚かれた方も多いいのではないでしょうか。

労働者の一人が過労で自殺(電通は過去にも同様の事件を起こしています)したのに事業所に対して罰金30万円以下の罰金。私は社労士試験の勉強をしていたとき、「これじゃ、罰則効果はないな」と思いながら勉強していたことを思い出します。

今回は両罰規定が適用され、上司など10人前後も書類送検されました。

仮に事業所と上司などに罰金刑が課された場合、合計330万円前後。

日本の企業の99%近くが中小企業なので、罰金30万円も十分高額なのかもしれませんが、どうなんでしょう。

確かにマスコミが取り上げるのは大企業が多く、中小企業で今回のような事件が起きても話題にはならないため、大企業に対する罰金が少なく思えるだけかもしれませんが。

しかし、大企業にとって30万円などはっきり言ってはした金です。このような事件でマスコミに取り上げられることのダメージは確かに大きいと思いますが。

電通の2015年の売上高が単体で約1兆5600億円、純利益が単体で約535億円です。この売上を上げるために労働者は過重労働させられているのです。

売上や資本金に応じた罰則を設けないと罰則としての均衡を保てない上、効果も望めません。

私は労基法の罰則が全体的に低いと思います。しかし、強化しただけでは過重労働がなくなるとは思いません。ただ、せめて国は罰則強化して少しでも労働者を保護しているという姿勢を見せるべきだと思います。

最悪の社会保障改革提言

健康ゴールド免許・勤労者皆保険… 小泉進次郎氏ら提言

自民党小泉進次郎・農林部会長ら若手議員が26日、2020年以降の社会保障改革のあり方について提言をまとめた。定期検診などで健康管理に努めた人を対象に、医療保険の自己負担を3割から2割に引き下げる「健康ゴールド免許」導入などの施策を打ち出した。 続きを読む

パートタイマー・アルバイト(短時間労働者)への保険適用の拡大

今月の1日からパート・アルバイトの方が社会保険に加入する保険適用制度拡大が始まりました。

このように書くと今までパート・アルバイトの方が社会保険に加入しなかったかというと別にそういうことはないのですが、殆どの方は加入していませんでした。

これまでは、「1日または1週間の所定労働時間および1か月の所定労働時間が常時労働者のおおむね3/4以上」でないと加入できませんでした。

多くの方が週所定労働時間が40時間と思われるので、週30時間以上働く方でないと加入できませんでした。10月9日に当ブログ(https://felicesrfpsuzuki.wordpress.com/wp-admin/post.php?post=335&action=edit)で書きましたが、配偶者控除の範囲内で働くとなると多くの方が週30時間以上働くことはできませんでした。

 

今回の法改正で、

①1週間の所定労働時間が20時間以上

②1か月の賃金が88,000円以上

③学生でない

④雇用期間が1年以上

⑤事業所(会社全体)で社会保険の適用になっている方が501人以上

で社会保険の適用となります。

ただ、この条件に適用となるには⑤の条件が多くの方に適用にならないと思われます。事業所(会社全体)で社会保険の適用になっている方が501人以上となると有名な企業でサービス業などが予想されます。まずこういった企業以外適用にならないでしょう。

10月9日の当ブログ(https://felicesrfpsuzuki.wordpress.com/wp-admin/post.php?post=335&action=edit)で配偶者控除の103万円の壁が150万円になるかも書きましたが、今週刊誌等で話題になっているのは、新たに106万円の壁ができるのではと言うことです。106万円は上記②1か月の賃金が88,000円以上✕12月=106万円以上ということで、社会保険に加入したくない方が106万円未満で働くのではということです。

この働き方も上記の通り、大手企業で働く方以外あまり関係ないかなと思われます。まあ、現在、保険適用についてもっと拡大しようと政府で検討されているので、今後の動向には注意が必要ではあります。

今回の保険適用制度拡大も年金額を将来増やしたい方の声があるというのが政府のアナウンスとしてありますが、実際は年金制度の運用が危機的であるので、保険料をもっと徴収したいと言うのが実情です。

政府の将来の年金額のモデル試算が載っています。(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.files/0819.pdf)仮に40歳から20年間加入した場合、この試算だと月額1,700円しか増えません。また、社会保険適用になると厚生年金保険料だけでなく、健康保険料の支払いもあるので、結局マイナスになってしまいます。

制度の根本的見直しをすべきだと思います。

配偶者控除

配偶者控除について。 所得税の「配偶者控除」の見直しをめぐり、自民党の税制調査会は、来年度の税制改正で新たな制…

情報源: 配偶者控除

無料相談回

久々の更新です。

先週9月30日に支部(私は神奈川県社労士会藤沢支部所属です。)が神奈川県労働局と共に無料相談会を開催いたしました。

これは主に労働局が労働相談を担当し、我々社労士は社会保険関係を担当する形で行われました。

私は去年から参加して今回で3回目でしたが、あまり労働相談に相談が来ているのかどうか知ることができず、相談会終了後に労働局の担当者から相談件数が知らされますが、今回は80数件あったそうです。

はっきり言ってそんなに労働相談があるとは思いませんでした。正直、こういう労働相談では問題解決にはつながらない上、通りすがりの人が労働相談するとも思えなかったからです。

でも、皆さん問題を抱えていらっしゃるんですね。勿論、仮定の話をされて「もしこういう場合はどうなりますか?」などもあったとは思いますが、色々気になることがあるんですね。

私は今回も社会保険関係だったのですが、今回も社労士と税理士の区別がつかない方などいらっしゃいましたね。

世の中士業の区別がつかない方が多いのはいつものことで驚かないです。でも、「◯◯士ではないので、全くわかりません。」は通用しないんですね。勿論、あまりにも複雑すぎてその専門家でないとわからないことは答えられませんが、ある程度の法務・税務etc.について知識がないと自分の専門業務につながりません。

やはり隣接業務にある程度精通していることが必要でしょう。ただし、隣接業務の手続はできませんが。

私はFP(ファイナンシャルプランナー)の資格があるので、社労士隣接業務の知識は結構あるのですが、こういった無料相談は実は「問題解決」の場ではなく、「人生相談」の場なんですね。

いろいろな愚痴や悩みを訊いてあげることでその方の不安が少しでもなくなるようです。

ですので、無料ではないのですが、当事務所でもなんかこんなことくだらないけど誰かに訊いてほしいんだよねって言うことがありましたら、伺いますので、ご連絡下さい。

明日10月8日は神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎市勤労市民会館にて13時〜15時まで無料労働相談会を行いますので、何か労働相談がある方はいらして下さい。(要予約)
リンク:http://www.chigasaki-kinro.jp/career.html#soudan

特別遺族給付金について

石綿(アスベスト)の作業現場で労働されていたと思われる方及びそのご家族(ご遺族)はまず、厚生労働省のホームページの「石綿にさらされる作業に従事していたのでは?と心配されている方へ」をご覧になり、その方がアスベスト作業場で作業していたと思われる方は以下を御覧下さい。

石綿にさらされる作業に従事していた方については、将来、肺がん(原発性)や中皮腫等の健康被害が生じるおそれがあります。特に中皮腫については、石綿との因果関係が強く指摘されています。
また、これらの疾病については、石綿にさらされてから発症までの期間が非常に長く、肺がん(原発性)で15~40年、中皮腫で20~50年との特徴があります。(厚労省HPより)

そのため、アスベスト作業で健康被害が発生し、労災認定されてもおかしくない方が、労災申請する前に亡くなられて、労災申請のことを知らずに時効(最長5年)になってしまうことがありました。

そこで政府は救済措置として「石綿健康被害救済法」を制定し、平成18年3月27日施行、平成23年8月30日改正となりました。

この法律は
1.労災補償の対象とならない周辺住民などに対して救済給付が支給される
2.労災補償を受けずに亡くなった労働者のご遺族の方に対して特別遺族給付金が支給される

が柱で、「特別遺族給付金」は2.が対象となります。ここではます、特別遺族給付金について解説し、労災補償にならない方々について説明します。

「特別遺族給付金」は石綿にさらされる業務に従事することにより
「指定疾病」
1.中皮腫
2.肺がん
3.著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺
4.著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚
に罹患(びょうきになる)し、

・石綿救済法の施行日の前日(平成18年3月26日。今回の改正により平成28年3月26日まで拡大。)までに亡くなった労働者のご遺族の方について、労災保険の遺族補償給付を受ける権利が時効(5年)によって消滅していた場合にその請求に基づき支給。

・特別遺族給付金には、特別遺族年金と特別遺族一時金があります。特別遺族年金は原則年額240万円、特別遺族一時金は1,200万円ですが、平成24年3月27日が請求期限となっていた(今回の改正により平成34年3月27日まで延長。)ところです。(厚労省HPより)

となっています。

つまり、基本として特別遺族給付金の
1.請求期限平成34年3月27日まで
2.支給対象平成28年3月26日までに亡くなった労働者のご遺族の方となったことを押さえます。

特別遺族給付金はまず、平成18年8月29日までに亡くなった場合をまず見ます。平成18年3月26日までに亡くなられた方は原則として請求の翌月分から支給されます(ですので出来る限り早く請求して下さい)が、平成18年3月27日から同年8月29日までに亡くなった場合、労災保険の遺族補償給付を受けられる権利がなくなる月、つまり被災労働者が死亡した日の翌日から5年の翌月までさかのぼって行われます。

次に、平成18年8月30日から平成28年3月26日までに亡くなった場合は石綿救済法ではなく、労災保険法に基づく遺族補償給付の支給対象として救済していきます。こちらは労災保険の遺族補償給付を受けられる権利がなくなる月、つまり労災保険の遺族補償給付を受けずに被災労働者が死亡した場合、被災労働者が死亡した日の翌日から5年が経過すると特別遺族給付金の支給対象となります。

では、労災補償されるのは労働者ですので、労働者でなかった場合(アスベスト工場や建設現場の近所に住んでいた方やアスベスト工場などに勤務していた労働者の家族など)はどうすればいいのでしょう。

このような方たちは「石綿健康被害救済法」で救済されます。「独立行政法人環境再生保全機構」(http://www.erca.go.jp/index.html)に救済を求めることができます。

まず、独立行政法人環境再生保全機構か地方環境事務所や保健所等に申請・請求書を提出し、独立行政法人環境再生保全機構から厚生労働大臣に届けられ審査を受けます。そこで認定されると給付を受けられます。もちろん「指定疾病」であることが前提です。

1.現在療養中の方
2.①中皮種・肺がんの場合は平成18年3月27日
②著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚の場合は平成22年7月1日)以前にこれらの疾病に起因して死亡された方のご遺族
及び
①中皮種・肺がんの場合は平成18年3月27日
②著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚の場合は平成22年7月1日)以降に認定の申請をしないで死亡された方のご遺族
が請求できます。

 

労働者(だった)の場合、当事務所では3万円(別途実費)で対応致します。また、独立行政法人環境再生保全機構等への申請・請求は提携行政書士に対応してもらいます。(こちらへの提出は社会保険労務士ではできないため)

まずは当事務所以外で結構ですので、お早めに社会保険労務士等専門家にご相談頂ますようお伝え致します。特に平成18年3月26日までに亡くなられた方については請求が1ヶ月遅れるごとに支給額が減っていきますのでお早めに。

 

 

ブログ始めました。

初めまして、神奈川県鎌倉市で社労士FP事務所 Felice(フェリーチェ)を開業しています社会保険労務士・FP技能士の鈴木茂伸と申します。

 

今年の6月1日から開業しました。実際に事業活動を始めたのは7月の末ですが。

 

現在は、出逢う人に名刺を配ったり、福祉・介護事業所に事業案内を送らせてもらっているところです。

 

これからの事業の方向性として、福祉・介護事業所を支えていくこと、障害者がお金の心配から開放される

 

ように障害年金申請代理を中心にやっていきたいと思っています。

 

私の社会保険労務士の仕事は、事業主の代理人として労働問題を解決することではないと思っています。

 

(勿論、法律上代理人にはなれないのですが)

 

労働者の話にも耳を傾け、どちらが悪いと決めつけるのではなく、間を取り持って問題解決することが仕事

 

だと思っています。

 

一方の主張のみを聴いて解決させてもいずれその組織は崩壊すると思うからです。一方の代理人として仕事

 

をする特定社会保険労務士は別ですが。

 

これから法改正などのお知らせと仕事に関する話をしていきます。

 

それでは、ブログをお楽しみください !